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食品スーパーマーケティングの黄金律①

今回の食品流通業繁盛の法則は食品スーパーの繁盛化の鉄則をお届けします。

〇ゼロからの新業態発想で取り組んで、はじめて競争力のある食品SM作りが可能になる
業界紙などではあまり語られることはありませんが、繁盛型の中小スーパーを経営する経営者が意識していることはズバリこのことです。言い換えれば「従来の標準的フォーマットの店を作り続けても経営は安定しないしこれからの継続的成長は見込めない」ということです。理由としては、
(ア)大手GMS、SM企業の店舗を見ても既存店レベルでは前年割れが継続中
(イ)食品SM全体のレベルが上昇して、商品の差別化では差がつきずらくなってきています
→レベルが低い店舗はどんどん淘汰されてきています
(ウ)ただの標準タイプの金太郎飴式の店舗ではお客様が満足しなくなってきています(このような店は近いから行っているだけというような弱い来店動機となっています)
(エ)大手食品SMや百貨店でさえも集客力向上を目的に食品を戦略部門として位置づけ、有望商圏であれば出店や売り場の増床を行うようになってきています。多少の競合があっても彼らは自分たちの生き残りのためにその方向性を崩しません。そのために日本全国で店舗乱立、店舗過剰の様相となってきています
(オ)以前では考えられなかった人口が少ない地域にさえ、大手の店舗が進出してきている。20,000人の商圏人口のエリアでもローコスト型の大型店を建設してきます

〇独自固有の企業ポリシーがお客様の店舗選択のエネルギーとなる
競合が厳しくても繁盛している食品スーパーをみていただければわかることですが、繁盛している食品SMは得意分野の伸展を徹底しています。これは船井流の経営の原則である「独自固有の長所を伸ばす」ということとイコールです。既存店の売上減少が著しい業界ですが、売り場面積の大小や企業規模の大小にあまり関係なく、繁盛している店舗は日本中に実はたくさん存在しています。それらの繁盛している店舗を見てみると、売れている理由が数多く存在するわけですが、ほとんどの店舗には明確なコンセプトとポリシーが存在しており自信をもって表現されていることがわかります。優れた店ではそのコンセプトやポリシーをお客様に積極的に宣言しています。それらの店舗の売場を見ればわかることですが、核となる部門や商品、サービスが存在しています。核売り場や核商品が看板となって店舗の強いカラーとイメージが形成されていることが見えてきています。今は店舗に色が感じられないとお客様からは退屈な店に見えてしまいます。それが標準的にキッチリと作られた店であってもです。標準型の店舗の当たり前のパターンに飽きてしまっているからです。こういうBuying型の店舗はおうおうにして価格が安くなければ売れなくなってきています。ダイエーの店舗はいくら大きくて新しい店でも雑で退屈で当たり前な要素が多く、お客様の買う気をそそれない状態になっていることを見れば明らかでしょう。そして売場に魅力的で強い核売り場や核商品を存在させ続ける原動力こそが、その店舗のコンセプトや企業のポリシーに他ならないということに気がつかないといけないでしょう。形だけ繁盛店の真似をして良く似た売り場を作っていても、1日の来店客数が多く、生鮮品を扱っている食品スーパーではポリシーがなければ維持ができないのです。

〇価格合わせの仕事に忙殺されずにお客様を納得させる、わかりやすいMDの実践を!
繁盛している店舗を見てみると、商品の品揃えが豊富です。それが小型店で商品点数が限られていてもメリハリがあり買い物に過不足は発生しないようになっています。単品の強化だけではなく強化カテゴリーの強化も順番に進んでいっていることがわかります。そういう店舗では、商品は価格だけを訴求して売られていません。安くとも高くとも、なぜ安いのか、なぜ高いのかが価値と共に語られています。売り場の従業員がバイヤーの指導のもと、商品を通じて仕事をしているのです。言い換えればお客様に何を売らなければならないのか、商品を通じて何を伝えなければならないのかを従業員自身が理解しているということです。そして繁盛している店舗を見てみますと、価格訴求以上に必ず鮮度感の表現や清潔さの保持を徹底実行してことが目につきます。自分たちの商売のコアが何なのかを正しく理解しているのです。そう食品SMは「鮮度屋」なのですから・・・。大阪のコーヨーは鮮魚を中心とした日本屈指の生鮮強化型の食品SMですが、彼らの店舗名には鮮℃館と書かれています。コーヨーでは食品SMは鮮度重視、そして鮮度とは冷蔵ケースの温度管理、インストア調理後の劣化時間管理と厳密に規定していることが信頼を勝ち取る大きな原動力となっていますし、店舗もその思想をもとに1日のオペレーションが組み立てられています。そして商売とお客様への姿勢そのものであるポリシーが貫かれた店舗は自然にお客様に近づこうとする販売方法やサービスを実行しています。

〇原理・原則にのっとった時流適合の経営を実践する
マーケティング的な発想で考えれば、経営上の不調原因は、市場の縮小・衰退か、競合企業のの成長によるか、自店の戦略・戦術・戦闘の誤りでしかありません。昨今の経営環境の厳しさは理解できますがコンサルティングを行っている現場でも“会社の戦略・戦術・戦闘の誤りかミス”が原因で問題が余計にひどくなっているというケースが非常にたくさんあります。この原因は経営の原理・原則を踏まえていないからです。多くの企業が経験の中で身につけてきた成功のコツ=原理・原則を速く知り、そのルールに基づいて判断を行っていく癖付けを行うことが大切です。そして激しく変化する顧客ニーズや経済環境にマッチした時流適合の経営を実践することが大切です。時流適応とは、その時点での「一般大衆のニーズに合うこと」、すなわち「需要が多いもの」、「需要が増えるもの」と付き合うことを最優先して考えるということです。自社が時流に適合した販売戦略をとっているかをチェックすることは効率化に向けて非常に大きな視点です。
昭和から平成にかけて日本人の生活様式は大きく変化してきました。生活様式の変化=時流の変化です。住まいも服装も嗜好も刻々と変わってきています。顧客を知り顧客のハートに突き刺さるピンとくる提案ができない企業はもはや生き残れない時代と言えるのです。

このような時代の販売のポイントは①自分の家族・子供でも買いたくなる商品を売ること、②見ただけでワクワクドキドキする感覚を持つ商品を売ること です。メーカー主権の時代から、小売主権の時代へ、そして今は消費者主権の時代です。そうお客様は神様です。それはわかった。しかし具体的にはどういう風にモノを作って売ったら良いのだという声が聞こえてきそうです。それでは具体的に船井総研が行うコンサルティングの進め方どおりにご説明をしていくことにしましょう。

まずは自分の会社と自分の会社の商品を白紙で棚卸してみましょう。何が良いところなのか、何が便利なのか?逆にアラが見えてきて自信がなくなってきたりするかもしれませんが、いったんは棚卸をすることが大切です。船井総研は客観的に現場のチェックをまず行うことをおすすめしています。そこから原理原則に基づいた売上アップ大作戦がスタートしていくのです。

  • 作成:2004-07-29 (木) - 岡 聡コンサルタントブログ
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