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食品スーパーマーケティングの黄金律②

今回の食品流通業繁盛の法則は前号に引き続き食品スーパーの繁盛化の鉄則をお届けします。

〇食品SMの接客・サービスの急所
すべての小売業はNOと言わない小売業になっていく。お客様にできません、ありませんということしか言わない企業はつぶれて行く・・・これが現在の流通業界、小売業界の潮流です。競合はますます激化し、その中でより成熟化し高度化するお客様からの要求は非常に多様になっています。対してセルフ型の企業はパートアルバイト比率(大手のPA比率は80%以上が当たり前の発想になっています)が高まり、どんどん素人化する中で難しいお客様要求にこたえていくわけです。つまり、いかにパートアルバイトの方も含めて真の顧客満足度を高めていくかの挑戦を行い続けないといけないかということです。
お客様はどんな不満を店頭で持っているかご存知ですか?お客様の代表的な不満は以下のようなものです。これは各種お客様調査などを行ったときに必ず出る意見です。

〇お客様の代表的な不満
  ①清潔感が感じられない(什器・備品が汚い)
  ②整理整頓がなされておらず、店内がゴチャゴチャしている
  ③社員教育が悪く、接客対応が下手
  ④どこに何があるのかわからない

店が新しいとか品揃えが良いとか安いとか言う前の問題だということがわかります。これらの問題を片付けなければ話にならないということです。それでは逆にお客様に好かれる店はどうやったらよいのでしょうか。それはこれらの一般的な店の持つ弱みを強みにまで高めていくという発想です。これは大手も容易にできる問題ではないのです。つまり売上アップのコツとはお客様に好かれる店にするということなのです。それは
  ①お客様を大事にする店作り
  ②お客様に応える店作り
  ③消費者から見た“わかりやすさ”を徹底して作り上げる
  ④情報提供の多い店にする
  ⑤お客様の企業(店舗)に対する期待感作り、ワクワク感づくりに取り組む
  ⑥1歩前向きな企業姿勢を打ち出す
  ⑦商品、サービスの優位性と付加価値を自分達の言葉で伝え続ける
  ⑧特に具体的に他店や他の商品とどう違うかを自分自身の言葉で伝える
ということです。我々は耳に痛いことをまず聞こうと「お客様モニター会」お叱りを前提とした「お客様の声」「お客様アンケート」を独自の方法で続けてきました。その数々の消費者の声はびっくりするものです。“おほめ”3割、“おしかり”3割、“ご要望他”4割というのが実態だったのです。特にSMは接客と鮮魚、果物に対する苦情、お叱りが最も多いことがわかっています。そこで徹底的に従業員とお客様に密着し、自分達の良さを伝え、悪いところを改善していくという活動自体を推進することが大切になってくるのです。店内で会う人は作業に走り回っている人だけという店はもう生き残れません。

〇商品力の強化は単品強化だけでは不十分な時代になった
全ての小売業の競争力の核は商品の強さです。ところが食品SMには店内に約15000品目ほどの商品が存在します。その15000品目の中からお客様は10点ほどの商品を平均週2~3回買物に来られるわけです。ですから大半の商品は一度も買ったことが無いと考えることが自然です。大型化が進んでいるのでもっともっと商品のSKU(ストック・キーピング・ユニット=容量違いなども含めた絶対的な品目数)は増える傾向にあります。お客様は専門の食品SMでは約10分間で買物を済ませようと買いまわります。良くご説明するのですが、これはまさに“お客様との10分間1本勝負”の戦いなのです。そのような状況の中ではテレビ宣伝をしている有名なNB商品、昔からのロングセラー商品、生活に絶対に必要な購買頻度の高いなじみの商品などを中心にお客様は買物をすすめていきます。食品SMはお客様のそのような行動と心理を理解しておいてその上で競合店にも勝ち抜いていかなければならないわけです。食品SMは商品部、店舗運営部、開発部などまさに縦割り組織の分業体制になっている業態ですから「さあ、店舗力のアップには売れる商品を一層強化しなくっちゃ!」となるわけですが、実はその前に売れる商品分、お客様にあてにされる商品部門を確立しないと競争に生き残れなくなっているのです。もはやワンストップショッピングという一箇所で大体そろうという業態コンセプトは当たり前になってしまっているからです。そこそこそろっているだけでは競争に打ち勝てないのです。別表3つにどのように目的来店制と競争力の高い店舗を作っていくのかの資料をあげてみました。単品力の積み上げではなく、鋼のように強い店舗コンセプト、部門コンセプトからスタートさせてお客様をひきつける店舗を創り上げることがこれからの食品専門業態としてのSMの使命と思います。

  • 作成:2004-09-06 (月) - 岡 聡コンサルタントブログ
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