視野を広げるための具体的な行動

お盆が終わったので夏休みの話題を一つご提供します。

人間はともすると毎日の生活や、現場の雑務に追われる中で視野が狭くなりがちです。社会は急激な変化を見せているわけですからその変化の意図するもの、これからの時流と消費トレンドなどがどうなっていくのかを経営者は真剣に考えなければなりません。つまり安定的な成長をしている時以上に真剣に勉強しなければならないし、情報をキャッチするアンテナを高く張り巡らさなければなりません。経営者が社会に出て新しい知識を常に補充・補給することは容易ではありません。相当意識して「話題の現場を見に行く」「詳しい人に話を聞いて説明してもらう」「本や資料を読む・見る」「気になることは自分でもやってみる」というようなことを実行しなければなりません。以前、ある地方の経営者の方と話をしていたときにこういうことを言われました。

「私たち地方の企業にとって情報を入手することはとても難しいことです。東京や大阪のような大都市ではあたりまえの情報やニュースも地方には入ってこないのです。だからコンサルタントの先生にお金を払ってきていただいています。そうするしか継続的に情報が入ってこないからです。仕方がないわけですが情報を金で買っているというような状況です。」

この経営者は相当な実行力がある方で今でも元気に飛び回っておられるし、世間の評判や評価以上に自分で良いと思ったことはやってみる度量の大きな方ですがそれでもこのような悩みを持っておられます。大きな会社になったら経営者は飛び回っているから良いのですが幹部の情報量がなかなか高まらないことが多いのです。とくに小売業の場合なかなかまとまった休みを取ること自体が企業側の配慮がなければ難しいのです。

先日、お菓子のデパート吉寿屋の神吉会長と対談をさせていただきました。この会社には優秀社員に会社から５日間の海外旅行をプレゼントするという仕組みがあります。それも好きな国５０カ国どこを選んでも良いという、台湾でもブラジルでもフランスでも良いのです。
遠いと飛行機にのっているのが３～４日、現地１～２日になどということにもなるのですがそれでも良いのです。（詳しい話は春のトップリーダークラブエリア例会の講演でもお話いただきましたが、もうすぐフナイメンバーズプラスでまとまった対談が掲載される予定ですのでお楽しみに！）

このような恵まれた会社は良いが昨今のように若者の海外旅行ばなれが顕著な時代には企業が意識して国内や海外への旅行や視察も奨励しないといけないと思います。特に春のゴールデンウィークや夏休み、秋のシルバーウィークなどはそういう意味で有効に活用すれば良いでしょう。私自身は、海外旅行に一生で２００回程度はいきたいと思っており、現在の渡航は１０５回となりました。同じ国にも何度も行っていますが、行く度に新しい発見や変化が目に入ります。仲良しのお客様や会社の仲間とも数多く海外に行きましたが毎回得るものは大きいものです。ちなみに海外へのクリニックツアーも最近は企画が減っていますがご興味のある方は岡や辻までご相談いただければ楽しい行程を企画させていただくこと保証いたします。

世のなかは情報社会であり、自分たちは情報社会という概念の中に生きているのだよと仲良しのあきない総研の吉田雅紀社長から先日教えられました。「ガラパコスという国のことは皆知っている。しかしガラパゴスに本当にいった人はほとんどいない。行ってみてもないのにほとんどわかったつもりでいてしまう。それが現代社会」と彼は言います。まさにその通り。食わず嫌いではなく、食べてもないのに食った気になっている自分。特にインターネットやＣＳ、ＢＳ放送のチャネル増加は知識量としては相当量を一人一人の人間に与え、貢献しました。しかし基礎知識を与えすぎてわかったような気になってしまっている人間が増えすぎているようにも思う。昔から百聞は一見にしかず。しかし百見は一験にしかずという。経営者や幹部はこういう時代だからこそ、外に出て自分で体験したり、体感して経営を考えることが必要なのではないでしょうか。

今年も良い夏休みをお過ごしになり新しいアイデアや情報を補給することができましたでしょうか？例年よりはましらしいですが暑い夏はまだ続きます。お体をお大事に！

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