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初体験! 現金が使えない小売店

明けましておめでとうございます。今年最初のメルマガは年末に滞在していたニューヨークで体験したお話です。

人間、歳を取れば取るほど放っておくと初体験というものが少なくなってきます。多くの体験を積むことが人間性を高めるエネルギーとなるはずで、過去のことを振り返ったり、昔話をしたりするよりもドキドキしたり、ちょっと恥ずかしい思いをしたりしても初体験を多く味わう方が豊かになるはずです。

さて、ニューヨークの話です。自分自身は意識して買い物をしている方だと思うのですが、今回、びっくりする経験をしました。それはセフォラ(SEPHORA)妻の買い物につきあっていた時の話です。セフォラはご存知のように、数年前に日本に進出した後、撤退したフランス大手化粧品チェーンです。この店でメイクアップ用品を物色したあと、レジでの精算の時の話です。ドルで支払おうと思って現金を差し出したら、店員がなにか言って精算処理をしようとしません。聞きなおしてみると「クレジットカードしか使えません。現金はダメです。」ということでした。これにはびっくりしました。ネットショッピングでは代引きや郵便振替はだめでクレジットカードしかつかえない店舗はありますが、現金ではダメだとハッキリと言われたことが日本ではなかったためです。

取り急ぎ、クレジットカードで支払いを済ませた後、よく考えてみました。クレジットカードのみでの決済利用のメリットです。
1)毎朝のつり銭の準備が不要
2)レジのドロアーからの現金の回収が不要
3)複雑なレジ操作不要。スキャンとサインだけ
4)理論上、レジの違算が発生なし。チェック不要
5)店員の小口現金の横領、くすねが無い
6)防犯システムと組み合わせれば盗難発生率が減少する
7)チーム型窃盗のレジを通さないカゴ抜けが防止できる
8)事務所に金庫の設置不要
9)現金の回収、夜間金庫投入が不要
10)カード単位でみれば買い物動向の把握が可能
11)現金が店内に存在しなければ窃盗・強盗抑止力あり
12)偽札をつかまされる心配が無い
13)信用力の乏しい(?)顧客が来ない
14)レジ自体が簡素になりコストが削減できる
15)キャッシャーの訓練が簡素になる
16)カードの問い合わせが高速化すればレジも高速化
17)旅行中の外国人の買い物も積極奨励できる
18)独自ポイント付与不要でカードポイントでお得感付与
19)進化させればセルフレジでさらなる人件費削減
20)さらに進化させればレジを取り払うことまで可能

というようなことを考えました。
セフォラがなぜ現金での支払いを断っているのかの真偽は確かめていませんが、考えようによっては小売業の経費節減につながるようなアイデアも出てきます。日本では現金での買い物信仰が強い状況ですが前払い式のエディやスイカでの買い物、後払い式のピタパでの買い物が徐々に一般的になってきている状況から考えれば上記のような状況が普通の商店にも浸透してくるのではないかと推測されます。

初夢のような記事となりましたが、案外近い将来、多くが実現していくのではないでしょうか。エディやスイカでの買い物も二十年前には空想のような話だったわけですから。

  • 作成:2010-01-06 (水) - 岡 聡コンサルタントブログ
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