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人は自分の意志と環境によって伸ばされる

不況期になると、どの会社もコストが重大関心事になる。コストは経営においていつも大切な要素なのだが、売上が楽に伸びている時代ならば、利益が出ているかどうかは別としても伸びる売上でお金は楽にまわっていくし銀行の融資も甘くなりがちなのでコストは二の次となり自然と売上作りに目がいくことなる。

ところが不況期は売上が伸びない、それどころか売上が低下するというのが当たり前の風潮だ。だからいきおいコストを引き下げようとするのだが、難しいのはコストの大部分が不動産費と人件費だという事実だ。コピーや電気代の節約ももちろん大切だが、正社員を1人雇えば安くとも300万程度、管理職なら600万、幹部なら800万程度かかってしまうのが普通だ。だからいきおい人員整理の可能性追及という話になる。できるだけ少ない人員で効率がよく生産性が高い仕事に取り組もうという”大義名分”が発生する。ところが、ノウハウや技術を蓄積し次の時代の飛躍を狙うならば、人に対しての投資を欠いては企業に明るい未来は無くなるだろう。

当たり前のことだが企業の利益は創造性が高い”人”がいるということが前提で産み出されるのである。では付加価値を産み出す能力が高い有能な社員はどのようにすれば確保することができるのだろうか。
この答を求めて企業は悪戦苦闘を続ける。できるだけ優秀な新入社員を採用したいという思いはいつの時代も強い。ところが中小企業にはなかなか優秀な新入社員は入ってこない。しかし、これは本当だろうか?

実は中小企業だから優秀な新入社員が入ってこない、中途社員が入ってこないというのはウソである。中小企業でも優秀な社員は入ってくる。どういう中小企業なら優秀な社員が入ってくるかという答えは簡単だ。その企業の環境が「人を伸ばし」「人を育て」るものであるばよいだけだ。できればその証拠がハッキリと求職者にわかればよいだけだ。買い手の論理で言えば「当社に貢献してくれる優秀な社員が欲しい」のかもしれないが売り手である求職者の論理で言えば「自分の可能性を引き出し、伸ばしてくれる会社に入りたい」「がんばって働いていれば幸せになれる会社に入りたい」というのが本音の話なのだ。

この当たり前の話は新入社員だけでなく今会社に在籍する社員にも同様に当てはまる。今も同様に同じことを考えているわけだ。「この会社で俺は幸せになれるのだろうか」と。もちろん環境だけでは人は伸びない。自分が「伸びよう」「成長しよう」と強く思うことが何より重要だ。しかしこれも伸びよう、成長しようとしている社員が多い会社である方が本人もそう思いやすい。つまり良い人材が輩出する会社とは伸びよう、成長しようと思う社員が多い会社であり、その環境にあこがれて素質ある人材が次から次へと入ってくる善循環の環境ができていると言えるのだ。

非正規労働者を多数生んだ約10年前の就職氷河期以上に、昨年、本年の就職活動は厳しいと言われている。ところがこのような状況でも一般的な中小企業にはよい人材が来ないのが普通である。良い人材が来ない、良い人材が育たないと嘆く前に「人を育てよう」「自分たち自身も日々成長しよう」と経営者から幹部までが強く意識し、その意識があふれる行動をとっているかをもう一度見直してほしい。

今、来年の春の入社の人の採用がスタートしている。企業が元気であり続け、良い人材がやりがいのある職場で夢を実現していくという当たり前の姿をこれからも守っていくことが私たちの使命であるとつく
づく思う今日このごろである。

  • 作成:2010-02-23 (火) - 岡 聡コンサルタントブログ
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