Home > 勝ち残りの条件は「未来の一流ブランド作り」

勝ち残りの条件は「未来の一流ブランド作り」

日本の企業は法人税が高止まりすることFTAなどの交渉が進まない中、製造業を中心に本格的に海外移転を検討する企業が増えてきました。われわれ船井総研にも海外進出にむけたの市場調査などの依頼も数が増えてきています。今や海外進出は、メーカーだけにとどまらず外食やサービス業に引き続いて小売業までアジアを中心とした成長マーケットに飛び出そうとしています。

対して国内小売業やメーカーを中国系をはじめとする企業やファンドが買収に入ったりしています。中国や香港では日本製品ブームが巻き起こっており日本の商品や店舗サービスは高品質で安全、安心であるという認識されてきています。

つまり日本のメーカー、小売業は縮小気味の日本市場で勝ち残るためにも、そしてアジアを中心とした成長市場に元気に出て行けるようにするにも、ともにブランド力アップに取り組み、店舗集客力アップ、商品支持率アップに取り組むことが必要になってきているのです。競争に打ち勝つためには高いブランド力の保持が重要なのです。ところが多くの企業で勘違いしていることがあります。それは頑張って製品開発や販売努力を行っていけば、ブランド力アップができるという幻想です。そういう企業に対してはコンサルタントの立場からは「頑張って販売努力を行ってもそれだけではブランドは育成できません。」という本音の回答をするしかないのです。

電化製品でも自動車でも洋服でも農産物でも高品質な物、手間隙かかった物は世の中にたくさんあります。ところがそれがブランドとして高く認知されているかどうか見てみると製品の品質が高くても二流ブランド、三流ブランド、無名商品が山とあるという事実に気が付くはずです。なぜならブランドは磨きあげて製品や店舗の暖簾や信頼を高めていこう、さらに高いブランド力を持つために自分たちの価値基準を高めていこうという取り組みを行い、その事実をお客様にアピールしていかねば育たないからなのです。また同時にデザイン面で(視覚的に)お客様に自分たちの製品や店舗のコンセプトを明快に伝えていく努力を行わなければなりません。わかりやすく言えば、ブランドとは自分たちの価値基準の記号化であるからです。

ソニーやニコンのような製品にしても和菓子屋さんのような店舗にしても屋号やマークを大切にし、そのブランドを持つ企業の社員として誇りを持つことを企業から求められています。要は経営者がお客様との関係を大切にし、自分たちのブランドを育成しようと決意しその決意を社員に伝え、社員がブランドを大切にする必要性を納得しない限りブランドは育つはずがないのです。

昨今話題の韓国のサムソンは、私が韓国企業のコンサルティングをしていた90年代後半は性能ハイレベル、ブランドイメージ二流のソニーもどきと認識されていました。その状況を払拭するために有名イタリアデザイナーにテレビのデザインを依頼すること、世界的市場にむけ小型携帯電話を売り込んでシェアを確保しよういうことを戦略的に考え実現させました。二流から一流への脱皮を企業をあげて戦略的に実現したのです。問題は二流以下の状態を脱皮しようと決意しブランド育成に取り組まなければならないのです。今、私自身のお付き合い先でもこの取り組みを意識して実行しています。未来の一流企業、一流ブランドを育てる意志を持つことこそ、売上高アップ以上に重要なのではないかと思っています。

  • 作成:2010-11-30 (火) - 岡 聡コンサルタントブログ
  • Comments:0

    Comment Form

    (いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

    Remember personal info

    Trackback:0

    TrackBack URL for this entry
    http://oka.secret.jp/cgi-bin/mt-tb.cgi/512
    Listed below are links to weblogs that reference
    勝ち残りの条件は「未来の一流ブランド作り」 from 経営コンサルタント 岡 聡

    Home > 勝ち残りの条件は「未来の一流ブランド作り」

    Search
    Feeds

    Page Top