最近、ツイッター、フェイスブックやザッポス、グルーポンが話題となりネット・ビジネスの世界は更に活性化する様相になってきました。このような中でリアルとネットの融合にも大きな商機ありということでネットスーパー強化が叫ばれ、イトーヨーカ堂やマルエツ、さらに住友商事のネットスーパー事業(住商ネットスーパー株式会社)が話題になっています。
このあたりのことに関してコメントが欲しいということで、先日、テレビ東京、日経CNBCさんの朝のテレビ番組に生出演させていただきました(テレビ東京 E morning)。
各社実態を正確には公表していないため推測の域ですがネットスーパー市場は現時点で推定500億円程度の市場と見られています。船井流のマーケットサイズやスーパーの仕組みを知っている人から見ると、ざっと計算しても成立させるためには、
1.首都圏を中心とした人口密集地域でないと難しい
2.生鮮食品だけではなく総合的品揃え対応できる企業が有利
3.中大型食品SM1店舗で15億から20億円の売上がとれることを考えると投資効率的観点からすると現時点ではなかなか難しい事業
ということですが、日本国内のマーケットの変化を見れば、
A.高齢化社会到来の都市部において買い物難民が発生中
B.高齢者、要介護がいる家庭、施設での食事材料供給事業との拡大が予想される
C.共働き世帯の増加などもさらに市場拡大を加速させる
D.ポイント制度などが充実しネットで買い物、ポイント取得で節約という買い物が広がる
E.スマートフォン、高速通信などの普及で大容量の情報通信システム特性をいかしたわかりやすいネットショッピングサイトが増大する
F.1日数度の配達対応という圧倒的な利便性
G.2015年にEC化率10%程度の可能性があり、ネットを利用した買い物が伸張。逆に店頭販売はさらに減少
H.GMSが減少する中、幅広い商品の調達ができる大手や商社が強みを活かして事業展開できる分野
ということが予想され、大手に関しては攻めの意味でも守りの意味でもネットスーパーに関しては長期的投資という視点で参入する意味合いが大きいのです。
特に食品スーパーの世界は全国的に再編が続いている最中であり、住商などの取り組みはネットスーパーを起点にスーパーをグループ化させて取り込むというビジョンも透けて見えます。
わずかな時間のテレビ番組では説明はできませんし、誤解を生んでもいけませんので、2015年に食品日曜品を中心にネットショッピング全体で8兆円以上の需要が生まれる可能性に向けての先行投資として説明しました。
ただ将来的に大きな利益を生み出す事業とするにはセンター配送型でないと難しいこと。店舗型でキチッとやるにはGMS店舗の店舗を利用した配送にすること。中小SMで取り組むなら正規型のネットスーパーに取り組む以前に、予約注文やネットショッピングに取り組むか、おまかせ買い物ボックスのような
サイトへの商品登録が不要な仕組みを構築する方が良いと私は思っています。答えはいずれ時間が証明していくことになりますが、いずれにしても次の時代の消費と小売事業を考えずに旧来型の安売りスタイルではスーパーの多くが持たなくなってきていることは間違いありません。
スーパーの業界では標準型スーパーという言葉が多く語られますが、今、そしてこれから最も厳しくなってきているのが中小型標準スーパーという現実から目をそらしてはいけないと思います。
食品スーパーは理念と戦略を独自性重視で明確化するべきです。私のコンサルティング面でのライフワークですが、ご相談があればお気軽にどうぞ。
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