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買い物難民対策にも有効な農産物直売所

仕事柄、出張に出ることが多く47都道府県すべてを訪問して感じることは「商店街が死んでしまっている」という現実です。現時点で全国平均で10%程度の空き店舗比率があるそうですが100万都市の商店街はさすがにまだ空き店舗は見当たらない反面、地方に行けば20%、30%の空き店舗は当たり前という状況になってきています。これは大変大きな問題です。

地方の県庁所在地や県有数の都市の駅前でもこの商店街は苦境に陥っています。夕方、鉄道を降りてもシャッターがほとんどしまっており急な買い物もできないというような状況です。特に最近困ったことに、そういう駅前でも存在していたコンビニやファーストフーズ店ですら業績悪化で撤退を始めているとい
う現状です。この原因は郊外やロードサイドに出現した大型のショッピングセンターが原因です。利便性を武器に自動車客を奪いとってしまったからです。その影響から郊外まで買い物にいけない高齢者などは都市中心部に居住していても普段の生活に必要な食品、生活必需品の買い物ができない状態になってきているのです。もちろん高齢者時代の到来は山間部の過疎地でさらに酷い状況を作り出しているのですが、まさかの県庁所在地駅前でも買い物ができないという状況が発生してきているのです。持ち家で商売をしていても生鮮食品などはある程度の客数が確保できないとロスが発生してしまうため経営ができないというようなことも大きな原因です。小規模な店舗では少し売れても経営は維持できないのです。

このような状況を改善しようという取り組みが少しずつ進んできています。

有力候補が農産物直売所の定期開催、もしくは常設です。ご存知のように農産物直売所の基本は農家が直売所に直接、野菜や果物を持ち込み15%程度の手数料で委託販売を行うものです。

この直売所は毎日売り切りが基本である売場のほとんどが常温売場です(加工品などを扱う場合、要冷蔵のケースを2本程度入れる程度が普通)。ですから店舗の説明のコストもあまり大きなものとはなりません。場所さえあればあとは生産者を取りまとめるだけで店を開店させることができます。生産者の方も農協出荷以上に利幅が大きな農産物直売所出荷には積極的です。問題は通年、店を維持するためにバラエティ豊かに品目を揃えることができるか(年間品揃計画)です。生産者を80人から100人程度集めることができれば通常はスムースに開店ができて、利用者には”顔が見える安心な農産物””鮮度が高く値頃な農産物”を提供するメリットが生まれますし、いうことはありません。もちろんその集客力は商店街全体の活性化や周辺店舗への好影響も期待できます。

常設の店舗が設置できなくても定期的に青空市形態で開催するというような方法も考えられます。船井総研としてもお手伝いが増えてきており、高齢化社会、エコロジー社会の本命業態として色々と業態バリエーションを開発していく予定です。直売所を実際に経営したいという方は、当初はJAさんや生産者が集まってというような状況でしたが、最近では積極的に食品スーパー、ホームセンターなど小売業のメインの業種までが参入してきます。生鮮食品を扱うプロである食品スーパーからみても魅力があるのが今の農産物直売所なのです。チェーン展開やフランチャイズを開始する企業も出現してきています。一度、ニュービジネスとして研究すると面白いと思います。

  • 作成:2011-02-08 (火) - 岡 聡コンサルタントブログ
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