東日本大震災がビジネスに大きな影響を与えた業界は多数あります。マイナス面が取り上げられることが多いのですが、プラスに働いた業界も多数あります。その一つがブライダル業界です。
ブライダル業界はハウスウェディングが話題になった時代も昔の話・・・。結婚適齢期の年代層の減少、晩婚化、結婚するにしても結婚式を挙げない、結婚しようと思っても相手を見つけられないので婚活が必要・・・と大きな変化に見舞われていました。特に大きな変化を迎えていたのは式場です。結婚式の挙げるにあたっては親戚縁者ひいては会社関係の方を多数呼ぶというのが高度経済成長の時代には当たり前でしたが、芸能人までジミ婚。結婚しても籍を入れないなどの話も珍しい話ではなくなっていたのです。
マイナス成長が長く続いて明るい話題もリゾート婚や写真だけ結婚式などの分野が伸びているというぐらいの業界だったわけですが、今回の震災で状況は大きく変わりました。
大震災を直接経験した被災地のみならず首都圏まで含めて空前のブライダルブームがやってきているのです。原因はおそらくシングルで居続けることへの漠然とした不安。家族やコミュニティの重要性への気づきなどがあると思われますが、とにかく結婚を考える人が震災以後増えたのです。
芸能人でも夏木マリさんが彼女の定義するフランス婚に区切りをつけてパーカショニストの斉藤ノブさんと震災以後結婚することを決められました。彼女は婚姻届は出さず、事実婚の形を取り「フランス婚」を続けていたそうですが今回の大災害でたくさんの仲間が被災し「人を愛するという意味、夫婦、家族の絆」を考え、正式に結婚を決めたそうです。このような意識の変化が多くの人の心に芽生えたことは確実で東北から関東、そして日本全国でブライダルブームが起こっているのです。ブライダルのリングなどの売上は前年比数十%というような伸びとなっており、震災で冷え込んだ日本経済の光明ともいえる話です。
911以後のアメリカでもブライダルブームの発生と国民の一致団結感の高揚があったわけですが、大震災でも同様の状況になっているわけです。911の10ヵ月後にはベビーブームも起こっており少子化日本での出産ブームも可能性が高いといえましょう。
「経営とは時流適応すること」「経営とは原理原則を押さえて未来を予測すること」が重要です。そう考えると今、経営者が取り組むべきこともかなり見えてくるはずです。
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