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ニュービジネスを片手間で考える時代は終わった

最近、コンサルティングの相談の中で多いのがM&Aの相談です。もう一つはニュービジネス、新規事業を始めよう思っているのだがという相談です。

一つ目のM&Aに関しては2つの種類があります。一つは豊富な資金を持つ企業やファンドが価値の高そうな企業に目をつけ買収を検討するというものです。買収後、さらに企業価値を高めた後、再度売却を行い利益の獲得を目指すわけです。もちろん、自分たちの既存事業に組み込める事業は組み込むわけですが、あまり必要性がない事業に関してはより高い価格での売却を考えるわけです。つまりM&Aを通じながら事業の再編を一気に行う、時間を買う感覚です。もう一つのM&Aは既存事業が縮小、停滞する中で社員の夢やキャリアアップの可能性を広げるために自力拡張では時間がかかるノウハウ取得をM&Aを機に一気に進めようというわけです。自分たちが時間をかけて検討してもなかなか立ち上がらない新規事業を、すでに立ち上がっている企業を手に入れることによって即、夢を現実化しようというものです。

もう一つのニュービジネス、新規事業を始めようというご相談は、既存事業がパッとしない現状、経営者のご子息が複数人いる中でなにか収益性の見込める新規事業はないでしょうかというものです。もちろん新しいアイデアを持って新規ビジネスを立ち上げようというベンチャースピリッツを持っての新規事業立ち上げもあるはずなのですが、そういう方は夢に溢れているため最初からコンサルタント会社に相談にはあまり来られません。そのため新規事業という話ですが、どうも片手間、うまくいったら儲け物というような雰囲気も無きにしも非ずです。

このような新規事業、ニュービジネスの相談を受ける中で常にお話しするのは、日本の経済と意識、人口動態が戦後の経済成長モデルから大転換してしまっている今、形はどうであれ「新規事業、ニュービジネス参入を中途半端に考えるのは良くない。」ということです。よく考えてみれば新規事業、ニュービジネスと言っても本当に世の中に存在しない事業はわずかです。まったく存在しないという風に見えるものでも既存事業の組み合わせという形の事業が多いのが実態なのです。つあmりほとんどが既存事業であり該当企業にとって新規事業、ニュービジネスであるだけの話なわけです。つまり新規事業、ニュービジネスと呼んでいるのは自分たち側の話で、対象事業は既存事業なのです。

ここで振り返って考えて見ましょう。自分たちの本業がいかに構造変化の中で苦しくなってきているのかということをです。そう、どの世界もどの業界も既存事業者は青息吐息のところが多いわけです。その道のプロの企業、企業家であっても変わりません。ですから「隣の芝生が青くみえる」という状態で新規事業、ニュービジネスに安易に取り組むのは間違いです。参入することに夢を見すぎるのも間違いです。どういう形であれ、十分にその事業の現状を認知し、既存プレーヤーである企業との”違い”、自分たち
だけが提供できる”強み””新しさ”を創り上げることが重要なわけです。そして何より大切なことは新規事業を安易に片手間発想でスタートさせないということなのです。

グローバルジャングルでの戦いを余儀なくされてきている日本なのですから、勇気を持って、そして覚悟をもって新規事業、ニュービジネスに取り組むことが重要なのです。そして何より重要なことがその新規事業、ニュービジネスに取り組む担当者自身がワクワクしているレベルまできているかどうかということなのです。

  • 作成:2011-07-22 (金) - 岡 聡コンサルタントブログ
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