AKB48ビジネスをマーケティング視点で分析してみましょう。成熟化社会の日本では国家の課題は需給ギャップ=内需不足による企業成長の停滞であり、企業においては売上不足という課題です。これらの原因は全て「客数が伸びない」「客数が減少した」ということなのですが、AKB48ビジネスではたくみにソーシャル型社会の特性を利用してリスクを減少させています。
まずAKB48ビジネスの“生徒たち”は各自が劇場での公演をスタートさせます。それぞれが無名の存在から毎日のコツコツ型の活動のスタートです。もちろんファン=「客」はゼロです。毎日の講演や握手会などを通じて生徒たちはファンを作っていきます。その活動の通信簿は1年で1回選抜総選挙という形で実施されます。総選挙で選抜メンバーやセンターが決定するわけです。この総選挙は文字通りファンが投票するわけです。文字通りファンの熱烈支持度が投票数になるわけで、当然人気の高いメンバー中心にチームが編成されて曲がどんどん発売され、活動が行われていくわけです。AKB48以外のグループを曲の発売を見ても、活動が始まってしばらくしないと曲は発売されません。例えばNMB48は結成が2010年10月お披露目、2011年1月公演スタート。新曲発表は2011年7月発売という具合です。つまりコツコツ客作りを実施してからリスクの高いCDの発売とプロモーションのビジネススタートという流れなのです。小売業などでいうと新規出店の前にその地域で見込み客作りを行っているということなのです。既存店が調子が悪いという状況の中、マーケティング不足、地域顧客特性理解が無い中、勘中心で出店してもうまくいきません。AKB48ビジネスの中にはビジネスのヒントがたくさんあります。
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