アベノミクスを頼りにそのムード浮上したい日本ですが、物不足の高度経済成長の時代が終焉し、物余りの低成長時代に入っている上、今後人口減少、高齢化、核家族化(特に独居、二人住まい増加)がますます進展するわけですから一昔前の価値観と戦略でやっていてうまくいくわけはありません。ふだん流通業のコンサルティングに従事していて、痛感することの一つが「大は小を兼ねる」が主流だった時代から「小は大を兼ねる」時代に時代はハッキリと変化している事実に企業がなかなか対応できていないという事実です。「大きいからお得」。「とりあえずこれだけのものは要らないが安いのだからかっておけ」というような発想では何事もうまくいかないと思うのです。「大きいことはいいことだ」から「大きいことはいいことか?」へ時代はかわっているのです。
昔は子供服などでも大き目のサイズをかって小さな時はブカブカだけどそのうち大きくなるから、これを買っておくから着なさいという親が多かったのですが、今は今、きっちりとしたサイズで似合っているものが売れます。コンビニやスーパーの買い物でも「大容量商品」の安くてお得な商品も使い切れなければ捨てなければならないので買ってももったいないだけですし、夏場のスイカなども一人暮らしで一玉食べきれないし、そもそも冷蔵庫入れるのが大変だし、そもそも入らないというような問題がでています。航空会社も同様で乗降客が少ない路線もジャンボ機を運行していては赤字ばかりがふくらむだけで、小型機で空席率を低く抑えた方が燃料も無駄なく効率的であるというのが普通になった時代です。目を凝らしてよく見てみると多くの場面で大は小を兼ねはしていないのです。小で売ってもらった方が必要な部分だけ買えて便利と大を兼ねるのです。レンタカーが10分間の利用料金で借りれたり、乗用車でも大型車が減少し小型車や軽自動車の需要が伸びたりと明らかに日本は「小が大を兼ねる」時代となっているのです。通常、小さくしても経費が割高にかかってあまり安くできないというようなことも多いのですが、できるだけ無駄を省き、できるだけ合理的に小さく物を作る、小さな単位で発想してみると新しいヒットが見つかるはず。それが今の時流なのだと思うのです。
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- 小は大を兼ねる 2013-10 from 経営コンサルタント 岡 聡