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船井幸雄の実践経営道場解説(1988年)

船井幸雄の実践経営道場―人を活かし組織を伸ばす25のQ&A(1988年)

※文庫版はPHPより1994年発行。(内容は文庫版前書き以外同一)

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旧版のまえがきにもあるが、船井総合研究所が1988年9月1日に株式上場した直後に発行された書籍である。もともとは清和会発行の「先見経済」誌に連載していた「船井幸雄の実践経営指南」という欄での読者への質問への回答記事を編集したものである。当時船井幸雄先生は55歳。

まえがきの中に寸暇も時間的余裕がないと述べられているように、当時、コンサルタント会社として世界で初の上場準備を進めた人間、船井幸雄の心情が感じられることも興味深い。

(目次)
第一章 人を育てる5つの視点
1”未経験の大役”を任せよ
2説得力の秘訣を体得しよう
3「非常時が来る」という認識を持て
4問題解決力を養う四つのポイント
5仕事と趣味を一致させよう

第二章 「つき」の基本、即時業績向上の3つの視点
1まず「つけよう」
2プロ意識こそ「つく」活力の源泉
3「伸びているものを伸ばす」考え方が基本

第三章 上手に生きる5つの視点
1プラス発想法を体得しよう
2だれでも先見力と予測力はつけられる
3カン・ヒラメキの磨き方
4直観力は知識に勝る
5運をつかむ「くせ」をつけよう

第四章 時代を読む6つの視点
1情報力強化のノウハウは欲すること
2豊かさを生み出すのは”学びぐせ・働きぐせ”
3大きな仮説をつくろう
4新・小売業時代のメーカーの対処法
5新分野へ挑戦し参入しよう

第五章 経営力を強める6つの視点
1企業の3つの目的を問い直そう
2むずかしい時代の生き抜き方
3戦略で90%以上決まる
4経営のコツ
5ベイシック経営のすすめ
6もっとも大事なのはトップ

 船井幸雄著作目録

書籍の中では人間として、経営者としての生き方、考え方を述べているのだが、一番興味深いのは経営者として、上場という大仕事を成し遂げた頃、経営から人間の研究に移りつつあることであろう。本書の中では林原の発明者である政木和三氏、国際基督教大学の石川光男教授、ニューヨークの経営教育者ネット・ハーマン氏、ロサンゼルスの作家フィリップ・ゴールドバーグ氏、心理学者のケン・ウィルバー氏、NM法の中山正和氏などの研究と事例を紹介しながら、直観力やヒラメキ、顕在意識と潜在意識の関係などを解説している部分がとても興味深い。勉強好きの船井幸雄先生のいつもの手法であるが、自分が興味を持った分野に関しては、あらゆる情報を徹底的に研究し、否定せず、その中から現時点で自分自身が納得し正しいと思ったものを紹介している。これはベテランのコンサルタントならば誰しも経験するはずの、「課題に対しての正しい答が直観でわかり、即答できる」という行為が、なぜ実践できるのであろうかということを真摯に研究していたものだと思われる。単なる神がかり的行為としてではなく、直観力を科学しようとする姿勢は常人が考えるレベルをはるかに超えているように感じる。

その他、幸せ感と成功の関係などの記述も論理的で興味深い。

  • 作成:2010-07-20 (火) - 岡 聡コンサルタントブログ
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