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長いトンネルの先にあるものを語る勇気

今回も「プラス発想」の話です。といいますのも船井総合研究所が提唱する成功の3原則の一つであり、あまりにもお馴染みの概念なのですが、これを言うのは簡単、行うのは難しいと常々思っているからなのです。日々唱えている船井総合研究所の社員や古くからのお付き合い先でも難しいのですから、表面的に”なんだ簡単なことだ”と考えていてはその実行はほとんどできないと思うのが実態なのです。

最近の日本の例で考えみましょう。リーマンショックの金融危機で世の中は大きく変わりました。なかでも変わったのは、日本という国のプライドや自信が大きく失われたことでしょう。この影響はものすごく、世界の中で勝ち組だと思っていた日本が実はもう消えうせ、負け組みに入りだしているのではないかという焦燥感です。

本来、政治家や経営者は明るい未来を信じて絵を描き、熱く夢を語って国民や社員をリードしなければならないはずなのに、いまやすっかり暗いムードです。これではよくなるものも、よくならないと思えてしまうほどです。メディアも事件や事故、失敗や失態ばかり大々的に扱い、足の引っ張りあいのような状況です。このような状況ではチャレンジ精神もどこかにふっとんでしまうのではないかというような状況です。

先日、塾経営をやっている大学時代の友人と久しぶりに食事をしました。彼曰く、生徒の指導がなかなか難しいそうです。勉強をしようと言っても「なぜ勉強しなければならないの?勉強しなくても毎日の生活ぐらいやっていけるはずだよ。」と言われるらしいです。また「勉強しても将来役立つとは思えない。」とも言われるそうです。世界的な競争の中で立ち遅れてきている教育改革という課題以前の問題です。つまり「頑張らなくてもなんとかなるじゃん」とか「勉強なんかしなくてもなんとかなるじゃん」という温い状況が日本の将来を支える子供たちの間で起こっているのです。昔のように国のため、国民のためにがんばって勉強しよう、豊かな世の中を創るためにがんばっていこうというムードが消えうせているのです。プラス発想以前にモチベーション自体も消えかかっているような状況もあるようです。困った問題です。

これは強い目的意識や使命感を伴わないと「プラス発想」もできないし、”プラス行動”もできないということを教えてくれます。空元気のようにプラス発想で頑張りましょうと唱えてもトンネルの先の明かりを目指して突っ走りましょうという、一致した目的意識とその目的意識が生むモチベーションがなければ「プラス発想しているつもりで行動なし」という状況におちいってしまうということではないでしょうか。

難しい時代ですが、明るい未来を信じて動かないと結果はでません。失敗を恐れて行動しないとまぐれ成功もないですし、失敗を学びに変えて改善する行動も産まれていきません。過去の栄光にとらわれ、知らず知らずと失敗を恐れる国や企業になってしまえば、新しい時代の成長の果実を享受することはできません。今こそ強い理念をもった行動が求められるのだと思います。「何のためにわが社は存在するのか」「何のためにこの会社で働いているのか」「われわれは何を成し遂げたいのか」を明確にトップが打ち出すことがプラス発想、プラス行動の原動力になるのだということを今一度頭に叩き込んで突っ走りたいものです。

  • 作成:2010-11-09 (火) - 岡 聡コンサルタントブログ
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