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将来一番化の視点

船井総研社員は船井総研のマーケティング理論において基本中の基本である、一番化を意識せずに生活し、仕事することはありません。私自身、船井総研に入社して16年間、毎日意識しているわけです。しかし最近特に感じるのは、一人の人間に適応させる時には一番化は時間軸と共に考えることが重要だという点です。企業はゴーイングコンサーンと表現されるように永続的な存在であるために技術や知識は組織の中で伝承されていくことになるわけですが、一人の人間ではそうはいきません。

つまり企業の場合はその企業が永続的に一番であるという状況を作り出すことは不可能ではありませんが、個人の場合にはそれは間違いなく不可能なことなのです。つまり自分以上にレベルが高い人や間違いなく一番の人が組織や会社、業界にいたとしても人間には寿命がありますからやがて表舞台から去っていくはずなのです。つまり一番化を目指す時に重要なのは将来、自分がバリバリと働く世代になった時に一番になるためにはどうあるべきか、何をなすべきなのかという視点なのです。多くの人は今、この組織や業界にはとてもすごい人がいるから自分では駄目だとか、とても追いつかないという考えをもってしまう。会社は組織に属する直前には大志を持っていた人でもほとんどのひとがしばらくするとそういう風に考えてしまいます。船井流では「今、自分で一番のものは何ですか?」と問います。その時に答えられれば素晴らしいのですが、今現在、組織や会社、業界の一番ではないし、そういう事を考える以前の話なのだと考えるのではなく、自分の得意な分野において、先輩でそれを得意にしている人はどういう人なのだろうということを一度世代別に作ってみればよいと思います。プロ野球などをみてもこの視点が重要なことはわかります。いくら優秀なプレイヤーでも正ポジションは一つです。少し上の世代に優秀でなおかつ長年活躍しそうな選手がいる場合、他のポジションに転向して正選手の座を狙うことは別に珍しいことではありません。

ところが一般の企業ではあまりそうならないのです。その原因はスポーツの場合、勝ち負けや実力がはっきりと仲間や第三者の目に映るからでしょう。ところが一般の企業では勝ち負けや実力差をはっきりとつけることを躊躇してしまいます。若いうちに将来どうするか、どうなるかを決めるべき材料をあまり与
えてはいないわけです。特に日本の企業はその傾向が今までは強かったようです。ですが、これらはそれではいけないのではないかというのが今回のコラムの視点です。だからこそ多くの会社でも社員表彰やMVP社員の選出をお勧めすることも多くなります。その表彰の中では世代間一番の視点で従業員のモチベーションを高めていく工夫がとても重要だとも思います。船井総研でも年一回の社員研修会での社員表彰の投票をおこなっている時期です。一般の会社でも同種の取り組みが多いのではないかと思います。ぜひ世代間別表彰の視点も付け加えてみてください。

これからの激しい時代を勝ち残る活力を持つためにも、そして一番企業は一番人間の集まりだと思うからこそ、若い社員のやる気を引き出すためにも「人間としての一番化は時間軸を考えて実行せよ」と伝えていこうと思います。時間軸を持ち、時間を考えて一番化を図ることは楽しく、そして豊かに生きていくためにとても戦略的な視点だと思います。

  • 作成:2010-11-23 (火) - 岡 聡コンサルタントブログ
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