最近、お付き合い先でコンサルティングを進める中で「社内報を作りましょう。」とお話をすることがよくあります。「売上も厳しいのに社内報など作っている暇はないよ。」とお考えの方もいらっしゃると思いますが「売上や利益を伸ばしていくためにも戦略的な社内報が有効なのですよ。」とお応えすることになるのです。
社内報は決して新しいものではありません。すでに皆様の会社でも発行しているケースも少なくないのではないかと思います。その場合、通常は総務部などが管轄し製作しているケースが多く、規模の大きな企業においてもスタッフは1名だけ、製作は印刷会社さんに丸投げ、またはコピーするだけというような感じではないでしょうか。
ところが、よく調べてみると今、伸びている企業はとても熱心に社内報を作っているのです。そしてデザイン、内容ともに旧来の社内報とはまったく違う次元になっているのです。
売上・利益を伸ばす社内報の特徴は
1.社内報のコンセプトが明確である
2.作り手本位の情報発信ではなく、あくまでも読み手が知りたいこと、読みたいコンテンツが考えられている
3.企業の哲学や経営者の方針がわかりやすい表現で示されており、戦略の落とし込みが考えられている
4.社内の功労者、大切にした技術やノウハウなどが広く若手社員にも伝わるように工夫されている
5.教育制度を補完し、現場の売上げアップにつながるミニ知識などが整理されて掲載されている
6.無理なく業績向上を競えるランキングや指標が掲載されている
7.なにより編集方針が明確でフリーペーパーに近い感覚の構成になっており、毎月楽しみにできる
というようなものです。今、出版業界などでも書籍が売れない状況が続いています。同様に旧来型の社内報も配布しても読んでもらえない。読んでもらえないから伝えたいことも伝わらないというような悪循環にさえ実はなっているのです。そこで発想の転換なのです。社員が楽しみに待つ社内報を作るという戦略なのです。そのためには編集方針を明確にし、キラーコンテンツを企画することが重要です。
今、製造業の現場、小売業の現場でも正社員が減少し契約社員やパートアルバイト社員が増えています。更に年功序列や終身雇用が崩れ、会社へのロイヤリティも放置すると下がる一方です。そのような状況を打開するためにマネジメント強化や教育を行うわけですが、なかなか限られた期間や予算の中で思いどおりの成果を上げることは難しいはずです。その打開を新・社内報で実現しようと言うのが最近の流れなのです。
仕事は作業手順を明示しただけでは高い生産性で実践させることはとても難しいものです。「なぜ」その作業をしなければならないのか。そして「なぜ」当社はその業務を大切にしようとしているのか。そういう情報を分かりやすくつたえるメディアとして社内報がとても有効なのです。「なぜ」がわかればモチベーションが高まりますし、仕事のやりがいや目標も定まりやすくなります。当然、業務の質が向上し売上げや利益拡大にもつながります。戦略社内報は売上・利益アップに確実につながっていくのです。
今、日本の企業はM&Aやアジアなど国外への進出。外国人社員の増加などかってない大変化時代に入っています。そんな時代だからこそ、理念を共有し社員の一体化を進める戦略社内報づくりが求められているのです。
ご興味がある方はご連絡いただければ社内報の立ち上げ、企画発行、運営のポイント、イントラとの絡ませ方などもアドバイスできると思います。お気軽にどうぞ。
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- 戦略社内報作りのすすめ from 経営コンサルタント 岡 聡